マイストーリー

2017.吉日 食卓でたっぷり納豆をかき混ぜる親、立ちこめてくる他と被ることのない濃厚な納豆臭、ふと納豆を食べて見たくなった。それまでは納豆はおろか豆類全般嫌っていたのに、なぜか食べてみようと思えた。食わず嫌いな自分がきらいだったのかも知れない。タレとカラシをたっぷりかけて、萎える豆を思い切って口に含むと、おや、意外と食べられる事に自分が一番驚く。美味しくはない、けれど食べられる。すごく自信がついた。

2021.7.24 大学在学中、夏休みを前に自身初めての納豆作り(藁苞納豆キット)。保温方法は忘れたが、全く発酵せず、失敗。糸も無ければ、煮豆でも無い、ぽろぽろこぼれ落ちる、大豆。色も薄い。高校生の時から納豆を食べるのが好きで、近所のスーパーの納豆棚を制覇した後、ついに飽きてしまった。たまたまテレビで納豆が稲わらに付く納豆菌から出来ることを知り、目からうろこ。自分で美味しい納豆を作ってみたいと思う。ちょうど、何かに挑戦してみたかった年頃だったのかも知れない。

 2021.7.27 稲藁を取り寄せ、自身二度目の藁苞納豆作りも失敗に終わる。全く粘らない。発酵が温度と湿度を必要とすることから浴槽が最も適した環境ではないかと思い、このときには実践していた。この日の晩、空き家だった親戚の家で納豆作り、販売までしてみたいと思い立つ。

 2021.10.18 約三ヶ月後。改良を重ね、煮沸消毒済みの保存容器に蒸し豆と稲わらを乗せ、確かに知見を積み重ねながらも上手く作れない日が続く。稲わらで発酵なんてどうせ無理と、初めて諦めに似た感情も抱いていたとき、ついに美味しいと思える納豆が完成する。偶然だった。浴槽に張ったお湯が多すぎたせいで三つのうち二つが水没していた。最悪だった。せっかく豆を戻して蒸して稲わらを乗せて、洗い物をして、苦労が泡になって消えた。しかし、もう一つ、深さのある保存容器の方はなんと浮いたまま水没を免れ、きつい臭いを放つそれをそのまま冷蔵庫で3日寝かせた後蓋を開けると濃厚な、醤油に似た香りが鼻を突いた。納豆だった。フォークを付けるとなんと、粘り強い糸を引いた。まるで地面に練り付けられたガムくらい粘った。恐ろしく感動した。信じられなかった。味も、食感もまさに納豆だった。希望に満ちあふれた。並行して空き家だった親戚の家を本格的に納豆製造所に作り替えていく。保温性を高めながら、何度もやり直した末、浴槽による発酵室を完成させる。情報発信のため、何かきっかけが欲しくて大学納豆屋YOSHI!のインスタグラム(https://www.instagram.com/daigakunattoyayoshi2022 )を開設し、情報発信を始める。

2021.12.19 発酵に適切な温度を測るため、*温度ロガーを導入。発酵熱(納豆菌が活発に増殖する際に出る熱)がいつ頃出ているこのかグラフから理解できるようになった。納豆菌の動きを温度の観点から可視化し、理解を深める。20L圧力鍋を三個に増やし、満を持して納豆発酵室に最大容量(納豆約10キロ分)を詰め込むも、ほとんどが発酵せずに煮豆のままだった。試しに食べてみたが、煮豆よりも苦味を増した、とても食べられる代物では無かった。苦心の末、処分に至る。何が駄目だったのか、一歩進んでは半歩後退する日々が続きながら、経験として確かに自分に蓄積されているのだと、前進しているのだと、自分自身に言い聞かせる毎日。湯の入れ替えのため、夜中に往復することもしばしば。そのときに発酵の様子も確認するのだが、ちょうど納豆菌が最も活発に増殖する時間だったのだろう。容器の底に触れたとき、思わず落としそうになった。両手の平が火傷したかと思った。熱かったのだ。納豆菌が生きている。凄まじくうれしかった。やってて良かったと思った。この瞬間に立ち会えたことが、何にも代えがたい経験として今も原動力として残っている。

2022.3.29 保健所から営業許可を得る。

2023.4.30 2年間在籍した大学を退学。納豆屋に集中する。

2022.6.10 ホームページ開設。

2022.8.13 大学納豆が完成する。

2023.1 .3 家族以外の人に納豆を食べてもらい、感想をもらうことを繰り返す。

2023.1.8 三重の納豆屋さんに大学納豆(商品)を食べてもらい、感想から今後のことまでいろいろと話す。

2023.1.16 プレオープンとして、初めて大学納豆をお客様に購入していただく。

2023.1.21  愛知の納豆屋さんへ。

2023.1.23 三重の納豆屋さんへ再び。

2023.1.31 大学納豆屋YOSHI!オープン。*インターネット販売を開始。(1年半の月日を経て、オープンに至る)

※誠に勝手ながらですが、インターネット販売は翌月2月末までとさせていただいています。

2023.2.1 注文を受けて初めての納豆づくり。

2023.2.3~4 JINNAN HOUSE ジンナンハウスにて行われた納豆イベント(natto summit)に参加。「大学納豆」をたくさんの方に食べていただく。

2.12 東京の松下納豆店へ。

2.15 和歌山経済新聞様に「大学納豆屋YOSHI!」の記事を載せていただく。

2.18~19 jomonさん方に納豆を食べていただく。

2.26 毎日新聞様に「大学納豆屋YOSHI!」の記事を載せていただく。

3.7 3.8付の夕刊紀伊民報様に「大学納豆屋YOSHI!」の記事を載せていただく。

3.12〜3.13 納豆マガジン編集長のご厚意により、大阪フードラボにてWHY KNOT 4周年イベントに参加。「大学納豆 200g みやだいず」を販売。イベント販売の難しさを感じたものの、試食を通してたくさんの方に大学納豆を食べていただく。納豆マガジン編集長方、他の出店者さんの協力のおかげで完売。

3.19 扇ヶ浜カッパークにて弁慶市に出店。「大学納豆 200g みやだいず」を販売。地元の方に買っていただく。

3.19 インターネット販売再開








2023.3.30 大学復帰予定。居住地を東京に移す。

*温度ロガー… 任意の時間ごとに対象物の温度を測定し、そのデータを記録・保存する計測器。